日野菜栽培資料

最新更新日:2020年1月23日

1.作型

2.圃場条件

排水性がよく、耕土が深くて、保水力のある肥沃な土壌。

3.目標収量

10a当たり2.0トン

4.品質向上のポイント

・たい肥はなるべく前作で入れておく。作付け直前に施用する際は、完熟たい肥を施用して枝根の発生を防ぐ。(鶏 糞は使用しない)
・なるべく深耕し、作土を深くする。排水対策は万全に行う。
・暑い時期に播種する場合は、安定して発芽するよう土の乾燥に注意する。
・根こぶ病、キスジノミハムシ等病害虫防除を徹底する。

5.栽培管理

 5-1 播種時期
    <露地栽培>
      ・春まき:3月下旬から5月初旬
      ・秋播き:8月下旬から10月上旬
       ※発芽適温は、15°C~20°C(最低4°C、最高30°C)
       ※適温では播種後3日程度で発芽が始まる(発芽揃い7日後)
    <ハウス栽培>
      ・早春播き:2月中旬から3月上旬
       生育初期が低温であるため、マルチやトンネル・べた掛けなどで保温を行う
      ・初夏播き:5月下旬から6月上旬
       生育後半は高温で生育旺盛になりやすく、品質が低下しやすいので、温度・施肥管理に注意する。
      ・晩秋播き:気温が低下していく時期なので、播き遅れに注意し、初期成育の確保に務める。
       ※10°C前後の低温に一定期間遭遇すると花芽分化が始まる。
        (厳寒期の播種では抽苔の可能性が高まる
       ※ハウス土壌は水分不足にならないよう、水分確保と土の乾燥に注意する。(発芽後3週間は根が下へ伸びるので適度な水分が必要)
 5-2 播種の準備
    必要な播種量 : 10a当たり0.8dl  
    (播種機利用の場合は春播き、株間8Cm  秋播き、株間10Cm)
 5-3 圃場準備
    ・播種の1か月以上前に苦土石灰、(かきがら石灰)、とたい肥を施用し耕転っしておく。
    ・播種の1週間前に、元肥(固形30号)を全層施用し、深耕した後うね立てを行う。
    ・うね立て後、待ち肥としてBM有機1号とキスジノミハムシ対策の粒状殺虫剤を施用し土と混ぜ整地する。(根こぶ病発症危険圃場には、ネビリュウ剤の散布をする)
 露地播き栽培の施肥設計例(Kg/10a)
 肥料名  全量    元肥  待ち肥   追肥   追肥 成分量  
 1  2  N  P  K
 完熟たい肥  2000  2000            
 かきがら石灰  160  160            
 苦土石灰  100  100            
 固形30号  40  40        4  4  4
 BM有機1号  40    40      5.2  4  4.8
 燐硝安加里S604  40      20  20  6.4  4  5.6
   合      計            15.6  12  14.4
※たい肥は必ず、完熟の物を施用する=未熟なたい肥は、枝根や曲がりの原因となる。
※窒素肥料が多いと、地上部の生育が旺盛となり、地下部の肥大と色上りが悪くなる。特に肥大期以降、窒 素過多にならないよう、生育に応じて2回目の追肥を加減する。
5-4 うね立て

うね幅:100~120Cm  (高さ15Cm~20Cm程度の高うね)
条間 :20Cm×4条
株間 :春8Cm 秋10Cm を基本とする (8Cm~15Cm)

5-5  播種
 播種機を利用する(条播き・点播き) 最新技術としてトラクターによる整形同時播種4条播きもある
 ・高温時は発芽をそろえるために、適度な土壌水分を保つよう注意する。
 ・うね立ての時期が早いと、土が乾燥してしまうので注意する。
 ・播種後は、もみ殻や切わらをかぶせて乾燥を防ぐとよい。(降雨によるたたき対策にもなる)
5-6 間引き
 ・間引き1回目:発芽揃い時に密生部を間引く
 ・   2回目:本葉2から3枚時に株間3Cmから6Cmになるように間引く
 ・   3回目:最終間引き、本葉5から6枚時に株間8CM~15CMになるようにする
 ・株間は夏季やハウス栽培では8Cm冬季は10Cmになるようにする
5-7 追肥
 ・1回目 :2回目間引きをした後、追肥・中耕・土寄せを行う。
 ・2回目 :3回目の間引きをした後、追肥・中耕・土寄せを行う。
 ・追肥は土に十分な水分がないと効果が現れないので注意する。
 ・日野菜は抽根性があり、根部が細く曲がりやすいので、土寄せを行い、曲がりを防ぐ。
5-8 病害虫防除・障害
 *根こぶ病  リンク参照
  <耕種的防除>
    ・アブラナ科の連作を避ける。
    ・圃場の排水をよくする。
    ・無理な早播きを避ける。
    ・石灰等でPHの矯正を行う。
    ・被害株はすきこまず、圃場の外に持ち出す。
  <薬剤防除>
    ・ネビリュウ等殺菌剤を使用する。
    ・詳しくはリンク参照

〇赤下がり症

 キスジノミハムシの幼虫に生育初期の根部を食害されると発生し、商品価値を落とすので、初期の防除をしっかりと行う。

〇曲がり・枝根

作土が浅い圃場や、未熟な有機物を施用した圃場に発生する。水分過多にも注意、排水を完全にする。

〇収穫

・播種後40日~55日を目安に、根部が2,0~2.5Cm(10円玉くらい)の時期に収穫する。
・収穫が高温期の場合は、取り遅れないように一斉収穫を心掛ける。

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