久しぶりに息子夫婦がやってきた。夕食のときに息子の嫁さんが桜漬けをまえにして
「この日野菜のさくら漬けって、どんな味がするんですか?・・・」と尋ねてくる。
桜漬けの皿盛り
嫁さんは酢の物が嫌いで、今まで桜漬け、えび漬けを口にしたことがない。
私や家内が「うまい、うまい」と食べるのが不思議だったようである。
現役のころ、関東へ出張のときなど「日野菜の漬物の味ってどんな味」とよく問われることがあった。
私は決まって次のように話していた。
「日野菜の漬物は、あの憧れのワイン”ドンぺリ”!! の味ですよ。
日野菜の漬物を噛み締めると、口の中で味が微妙に変化して苦味と辛味、
酸味とそのまろやかさがふわーとバランスよく広がり、食べられるその人の嗜好を満喫させてくれる味。
これが日野菜の味です・・・・」
「でもどうしてそれが、ドンペリなの?・・」
「ドンペリは大変希少なワイン(シヤンパン)でその味は時間とともに微妙に変化し飲み人を満足させるに足る
ワインだからです。
日野菜の漬物はドンペリと同様噛み締めたとき味が移り変わっていくところにも魅力があります・・・・」と
いつも長い講釈をしてしまう私。
今夜も嫁さんを前に此の長い講釈。
「この桜漬け、マヨネーズで食べるのもおいしいよ・・」とすすめる。
おそるおそる嫁さんの箸が桜漬けに伸びる。
そして口の中へ
私も家内も息子さえも嫁さんの口のモグモグにしばし静寂。
そして 「この桜漬け食べられそう・・・いただきます」との言葉。
私はほっとして、思わず心の中でヤッターとガッツポーズ。
また一人日野菜をたべてくれる人が増えたことを喜ぶ。
「オーヴィレール大修道院で最後に1993ヴィンテージのテイスティングが行われたのは、1998年12月14日のことでした。
栓は勢い良く抜かれ、やがて辺りには一点の曇りも感じさせない、素晴しい香りが漂いました。
香りについて最初の印象は花の要素です。
そしてそのドライフラワーの香りが、急速に煎ったヘーゼルナッツとかすかなスパイスの香りに変化します。
味わいは、口に含んだ直後は力強く、しかし丸みがあり、年月とともに充実した豊かな味わいになることを予感させます。
またバランスは、もう既にダイナミックに仕上がっています。
アッサンブラージュ当初の複雑さをいつまでも保ちながら、次第に上品なさわやかさが加わってくるのです。
(この文書はあるドンペリ商品の照会文書です。
ドンペリの中には1本100万円もするものがあるそうです。)